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測量と設計

グランドデザインで出来上がったシミュレーションのレイアウトを基に実施設計図を起こしていく作業です。現地で実際に測量することで正確な地形図を作成し、風車や道路の位置を修正していきます。補助金申請時に実施設計図の提出が義務づけられているため、申請する場合は事前に測量に取り組まなくてはなりません。ここでは「測量と設計のながれ」とその中で行われる「実施設計のいろいろ」をご紹介します。

測量と設計のながれ

1. GPS測量 -基準点を決める-

国土地理院で設置した三角点や電子基準点から現地に基準点を設置していきます。基準点の位置は今後の測量の効率に繋がるので時間をかけ慎重に選定していきます。ここだけで一週間ほど費やします。

2. 細部測量 -詳細を決めていく

基準点から光波測距器(セオドライト)を用いて距離と角度を測り細部点を確定します。細部点は基準点をさらに細かい距離で割り出した基準となる点です。例えば200Mごとに基準点を設け、50Mごとに細部点を設ける、というふうに進めていきます。

光波測距器(セオドライト)

光波測距器(セオドライト)

水平角及び高度角を測定する器械です。鉛直軸・水平軸・視準軸から成り、水平目盛板・高度目盛板・上盤気泡管が付けられています。経緯儀、トランシットともいいます。

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3. 中心線測量

国土地理院のデータ等で机上にて確定した仮設計をもとに中心点を現地に設置し、道路の中心となる線上に配置していきます。また地形の変換点や20mごとに測点を設置します。

4. 水準測量

中心点の近辺に水準点(高さの基準点)を現場の面積の大きさに応じて設置します。

5. 縦横断測量

各測点の高さを水準点より確定し、さらに各測点からとなり左右の高さを確認して決定してきます。

国土地理院の地図

国土地理院の地図

国土地理院が試験的に公開している1/25,000の地図。

地図閲覧サービス

これを元に現地に中心点などを設置しますが行ってみたら崖だった、なんてこともあります。そういった意味でも測量は大事です。最終的には1/1,000程度の縮尺で仕上げていきます。

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5. 縦横断測量

6. 現況測量

図面作成に必要な現況を測量します。

7. 実施設計

縦横断測量のデータをもとに風車位置や道路の設計をします。測量の結果、グランドデザインから大幅に変更になることもしばしば。新たに設定した風車の位置でシミュレーションに戻り考察します。発電量に関係してくるので慎重な作業です。また現地踏査を同時にすることで、風車の建てやすい場所やこれまでの経験による風量の多そうな場所など図面で見えないものが見えてきます。

8. 現地確定測量

設計データを基に道路敷地、風車敷地の確定を行います。

9. 境界確定測量

地番の境界を確定し、地番毎の敷地面積を確定します。

10. 竹木(じゅうぼく)調査

伐採する樹木の補償のため、種類、大きさ(胸の高さの太さなど)、年数などの調査を行います。 種類によって補償額が違います。

11. 分筆測量

土地の担保権の解除、地上権、地役権等の関係で分筆に必要な測量を行う場合もあります。

12.各種手続き

開発許認可
土木造成工事は、山林であれば、森林法による林地開発の事前相談・指導・申請・審査を経て許認可交付を受けることとなります。この中で、森林に対する各種防災保全設計(保水、排水、法面など)を行います。 風車は1本1本を土質調査から強度設計を行い建築確認申請~認可を経て強度設計が確定します。

土地の所有者、木の所有者

土地の所有者、木の所有者

ある土地に立つ木が、その土地の所有者の木とは限りません。土地を借りて木だけ育てさせてもらっている場合があります。竹木調査は木の所有者をしっかり確認しないといけません。

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実施設計のいろいろ

実施設計は道路計画や防災計画を中心に進めていきます。CEFは独自のコンストラクション技術によって従来のサイト開発面積よりもずっとすくない面積で多くの風車を建設することができます。

●道路の設計

グランドデザインと同じで実施設計においても環境負荷の少ない計画を練っていきます。CEFでは特殊クレーンのスペックを生かし、開発のための伐採面積の少ない、建設効率が高い道路設計を目指し計画を立てていきます。難しい作業ではありますが、環境負荷低減や建設スピードに直結することなのでじっくり考えなければなりません。以下に道路設計のポイントをいくつか紹介します。

ポイント1<既設道路拡幅工事>

既存の林道などがある場合は優先的に利用していきます。道幅が狭い場合はクレーンやキャリアが通れる幅に拡幅します。
新規に道路を建設するより、木の伐採をしなくて済み、建設の手間も省けます。
また途中に橋がある場合は、風車の部材を運ぶキャリアの重さに耐えられるように梁を補強します。

既設道路拡幅工事

ポイント2 <切土と盛土のバランス>

道路を傾斜のある土地に建設する場合、高い斜面なら切り取って低くし、平坦な地表を作らなければなりません。 この工事を切土工事と言います。(切り取った土砂のことも切土と呼びます)。 また逆に低い斜面に土砂を盛り上げて高くし、平坦な地表を作ることを盛土工事と言います。工事によって排出される土砂のことは残土と呼びます。 山間部の工事では切土部分と盛土部分の体積を近づけバランスをとることにより、残土量を少なくします。 残土が減れば残土処分場の面積も少なく済みます。

切土と盛土のバランス

切土で削った土を盛土にまわし、ロスのすくない工事をするのが基本です

CEFの特殊クレーンは通常道幅12mのところを5.5mで通行可能です。
通常よりもずっと切土と盛土が少なく済み、伐木する木の数を減らせます。

切土と盛土のバランスその2

ポイント3 <コンタに沿ったゆるい道>

コンタとはcontourをカタカナ読みしたもので『等高線』のことです。建築土木の業界でよく使われます。道路を設計する際は地形に逆らわず、なるべくコンタに沿ってゆるい道を引くと切土盛土が少なく済み、法面の面積も少なくなります。

コンタに沿ったゆるい道

ポイント4 <傾斜15%以内、カーブ半径15m以上>

当然のことですが傾斜が15%以上あるとクレーンが登坂することができません。ただ従来の10%の傾斜より幅の広い選択肢があります。また林道として利用してもらう場合、林道規定によりカーブの半径が15m以上でなければなりません。その場合に限らず、あまりに急なカーブは建設時の効率悪化に繋がりますので、一つの基準として設計に利用しています。

傾斜15%以内、カーブ半径15m以上

●防災計画

防災計画は、行政が定めている林地開発に関する手引き書や開発許可に関するハンドブック等々に準じて行います。

1.造成のり面(切土・盛土)の安全性及び土砂流出防止について

のり面の勾配は地質、土質及びのり面の高さから見て崩壊の恐れがないよう、基準に定められている所定の安定勾配にて計画し、施工においては、土工事完了後、速やかに法面緑化等による保護工を行い、雨水等によるのり面の侵食・崩壊防止に努めます。開発工事により、区域外の下流地域へ土砂が流出しないよう、沈砂池、シガラ柵等を設置し、貯まった土砂は定期的に排除していきます。

造成のり面(切土・盛土)の安全性及び土砂流出防止について

しがら棚の詳細

沈砂池の詳細

しがら棚の詳細

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沈砂池の詳細 


沈砂池はこのようにして、余計な土砂や自然に還りにくいものを止め、水分を下に流します。

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2.水害防止について(雨水流出対策)

・開発区域内の雨水排水については、原則として開発前の流域を変更しないように道路、残土処分場などに設ける排水側溝で集水し、既設の河川及び自然渓流に排水します。
・吐き出し部には、必要に応じてフトン籠を設置し、地山の洗掘を防止します。

水害防止について(雨水流出対策)

水害防止について(雨水流出対策)その2

3.簡易水道及び水利権者への対策

グランドデザインと同じで実施設計においても環境負荷の少ない計画を練っていきます。CEFでは特殊クレーンのスペックを生かし、開発のための伐採面積の少ない、建設効率が高い道路設計を目指し計画を立てていきます。難しい作業ではありますが、環境負荷低減や建設スピードに直結することなのでじっくり考えなければなりません。以下に道路設計のポイントをいくつか紹介します。

簡易水道及び水利権者への対策

測量の魅力

測量の魅力

境界、標高等を現地にて確定したり、データを基に図面や計算簿などの作成をするなど、成果品として完成したときの達成感があります。

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