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風車の大きさと名称

風力発電で使われる風車は2010年現在、定格出力1.5MW(1時間で最大1500kWの出力が可能)や2.5MW(同2500kw)が世界的に見てもスタンダードと言えます。
1980年代初頭に50kwの風車が最大級だったことを考えると、近年の風車大型化の技術向上はめざましいものがあります。
風車の出力は風車の受風面積(ブレードの回転する円の面積)に比例するので、風車を大きくすればそれだけ多くの電力を得ることが出来ます。
現在、世界で最大の風車は定格出力6MW直径126mにもなります。
50kwの風車の直径は15mでしたので、ここ30年前後で飛躍的に大型化したと言えます。
風力発電の普及は、設備の大型化によるコストダウンによるものだとも言われています。

風車の大きさの詳細を見てみましょう

GE1.5s

GE1.5sle

GE2.5

MWT1000A

LAGERWEY

  • GE1.5s
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  • GE2.5
  • MWT1000A
  • LAGERWEY
風車の大きさを建物などと比較してみましょう

風車のしくみ

風車はどのような仕組みで電気をおこしているのでしょうか。
ここでは、現在CEFで主に使用しているGE社製の風車を例にとってみます。
風車は大きく分けて4つのパーツから構成されています。
「風を受け回転する3枚の“ブレード”」「ブレードの付け根をローター軸に連結する“ハブ”」「ハブからローター軸を通じて連結された増速機、発電機などを収納する“ナセル”」「ブレード、ハブ、ナセルを支え、各種のケーブルの通り道にもなる“タワー”」。
仕組みとしては、ブレードが風を受けて回り、ローター軸を通じて、増速機(=ギアボックス)によって回転を上げ、発電機(=ジェネレーター)に接続し、電気を作っています。 こうして発電された電気は、タワー内部の変電設備を通り、変電所へと運ばれます。
更に、このような発電を効率良く行うために、“ヨー制御”と“ピッチ制御”という2つの制御システムが設けられています。
“ヨー制御”とは、無駄なく風を受ける為に、風車の向きを風向きに追従させるもの。
“ピッチ制御”とは、発電出力を調節する為に、ブレードの取付け角(ピッチ角)を変化させ、風速に合わせて風の受ける量を調整するもの。また台風などによる強風時(瞬間風速25m/s以上・平均風速20m/s以上)にはピッチ角を風向きに並行(フェーザーリング)にすることで、風を逃がし、停止させる安全・制動装置としての機能ももっています。 どちらの制御装置もハブの中に収められており、それぞれの駆動装置は、ヨー駆動装置はナセルとタワーの連結部、ピッチ駆動装置はブレードとハブの連結部に設けられています。

風車のしくみ

風車のなかみ

風車のなかみはどのようになっているのでしょうか?
ここでは風車駆動の中心的な役割を担っているナセルとその周辺をご紹介します。
※GE社製2.5MW

風車のなかみ

定格出力 2,500kwh
メーカー GE(ドイツ)
発電機 他励磁同期発電機
タワー 底部直径4.3m 上部直径3.0m 重量210.8トン
ローター・ブレード+ハブ ハブ高さ85m ブレード径88m ブレード長さ44m 重量51トン
ナセル 重量83トン
発電風速 カットイン風速:3.5m/s 定格風速:12.5m/s カットアウト風速:25m/s
回転スピード 11〜20rpm(可変速型)
制御方式 全自動遠隔制御方式(手動制御可能)
運転制御 出力:ピッチ角制御&可変速制御/
風向:風向検知センサー&ヨー駆動制御

風車のちから

「2.5MW 1基が生むちから」

風車から生まれる電気はどのくらいの大きさのエネルギーなのでしょうか。兵庫県淡路島にあるCEF南あわじWFの1基の風車を例にしてみましょう。この風力発電サイトで使用しているGE社製2.5MWの風車は、1回転で約1,000Wの電気を生み出します。

風車のちから

そして、この風車が1年間で生み出す電気は約6,000MW(6,000,000kW)です。
ではこの6,000MWとは、どの位の電力なのでしょうか。
これは一般家庭の年間消費電力の約1,600世帯分(※1)に相当します。1世帯あたり2.31人(※2)と考えると約3,700人の1年間の使用電力をまかなうことができるといえます。
さて、これはCO2削減が推進されている今日において、実際のところ風車にはどのくらいの環境への効果があるものでしょうか。
具体的な例を挙げてみましょう。

CO2換算

6,000MW(6,000,000kW)の電気をCO2に換算すると2,268,000kg=2,268トン(※3)に相当します。
つまり同じ電力を化石燃料などの火力発電などで生産した時と比較すると、約2,268トンのCO2を削減できるということになります。

樹木換算

これを木に置き換えてみましょう。この量の二酸化炭素は太さ10cm・高さ4〜5Mの落葉広葉樹9.072本が行う光合成(※4)と同じ効果があります。

面積換算

そしてこの約9,000本の木を植えるにはおよそ2ha(20,000㎡)の土地が必要です。
これはサッカーグランウンド約3.3面の広さに相当し、その面積分の木を植えたことと同じ環境への効果が見込まれると言えます。

原油換算

原油にも換算してみましょう。それぞれのジュール熱の比較に基いた原油換算係数(※5)より、6,000MWは、実に1,524kL(キロリットル)=ドラム缶約7,620本分にもなります。

車の走行距離換算

ガソリンに換算すると約1,387kL(キロリットル)(※6)になり、新型プリウスなら(38km/L)(※7)52,706,000kmの走行になります。これは地球を約1300周できることになります。

風車のちからその2

風車のちからの詳細

局所風況マップとは

ジュール熱?

ジュール熱(ジュールねつ、英:Joule heat)とは、電流のはたらきによって生じる熱のことを言います。ちなみに、原油を燃料として使用する場合のジュール熱は38.2MJ/l、電力を使用する場合のジュール熱は3.6MJ/kWhということになっています。

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風車のいろいろ

風車は古代より風のちからを人の生活に役立てるために活躍してきました。
エジプトでは紀元前3600年頃から灌漑や揚水の原動力として使用されていた記録があります。
風車は英語でwindmillと呼ばれ、millは“すりうす”という意味からわかるように、製粉の原動力としても利用されてきました。 現代において、風車=風力発電機(wind turbine)は、温室効果ガスを排出しない代表的なクリーンエネルギーとして認知されています。風車の形の変化は、いかに風の力を得るかという工夫の軌跡といえます。
世界最初の風力発電機は19世紀末のヨーロッパ生まれたとの記録があり、現代の風力発電の父はデンマークのP.ラクールだと言われています。彼は風力研究所をつくり、風洞実験を通して発電のための高速風車をつくりました。これが現代のデンマークの風車事業の基礎をつくったということで、彼を風力発電の父と呼んでいるのです。
一言で風車といっても多種多様。古代の風車から、現代の風車、身近なカザグルマまで、色んな風車を並べてみました。

風車のいろいろ